「ChatGPTで調べて問い合わせが来た気がするが、実際どれくらい来ているのか分からない」。そんな声が中小企業のWeb担当者から増えています。
実は2026年に入り、AI検索経由のアクセスは「勘」ではなく「数字」で確認できるようになりました。GoogleアナリティクスとSearch Consoleの双方に、AI経由の可視性を見るための専用の受け皿が用意されたからです。
本記事では、専門知識がなくても実行できるAI流入の計測手順を、5ステップで整理します。
この記事でわかること
- GA4に追加された「AI Assistants」チャネルの正体と、何が集計されるのか
- Search Consoleの「検索の生成AIパフォーマンスレポート」で見える指標・見えない指標
- AI検索からの流入を見える化する5ステップ(作業目安30分)
- 数字を読み違えないための3つの注意点
- 計測のあとに何をすべきか(コンテンツ側の打ち手)
結論:AI検索の流入は「2つの窓口」で見る
結論から書きます。AI経由の流入は、性質の異なる2つの窓口を組み合わせて見るのが正解です。
- GA4=ChatGPTなどのAIアシスタントから「自社サイトへ実際に訪問された数」を見る窓口
- Search Console=GoogleのAIによる概要(AI Overviews)やAIモードで「自社ページが表示された数」を見る窓口
この2つは別物です。混同すると「AI流入がゼロだ」と誤解したり、逆に成果を過大評価したりします。まずは各窓口の仕様を正確に押さえましょう。
2026年に起きた2つの変化
変化1:GA4に「AI Assistants」チャネルが登場
Googleアナリティクス(GA4)のデフォルトチャネルグループに、「AI Assistants」というチャネルが追加されました。Google公式ヘルプでは、ChatGPT、Gemini、DeepSeek、Copilot、Grokなどのソースから自社サイトに到達したユーザーのチャネルであると説明されています。判定は、メディア(medium)が「ai-assistant」に一致するかどうかで行われます。
ここで最も重要なのが、このチャネルはGoogleのAIによる概要(AI Overviews)とAIモードを含まないという点です。GoogleのAI機能経由のクリックは、従来どおり「オーガニック検索」に分類されます(公式ヘルプにも、オーガニック検索にはAIによる概要とAIモードが含まれると明記されています)。
整理すると――ChatGPTやGeminiのチャットから来た人=AI Assistants/Google検索のAI概要・AIモードから来た人=オーガニック検索、です。
変化2:Search Consoleに「検索の生成AIパフォーマンスレポート」
2026年6月3日、GoogleはSearch Consoleに「検索の生成AIパフォーマンスレポート」を導入したと発表しました。AIによる概要やAIモード、Discoverの生成AI機能において、自社サイトがどれだけ表示されたかを専用ビューで確認できるものです。
公式ブログによると、レポートで確認できるのは次の項目です。
- インプレッション数:生成AI機能で自社URLがどの程度表示されたか
- ページ:AI機能に表示されたURL
- 国:国ごとの可視性
- デバイス:利用デバイス(検索結果で利用可能)
- 日付:時間別・日別・週別・月別の推移
一方で、クリック数・CTR・掲載順位・検索キーワードは現時点では含まれていません。また、レポートは一部のサイトから段階的に導入されており、自社の管理画面に表示されていなくても異常ではありません。なお、このデータは従来の全体パフォーマンスレポートにも引き続き含まれています(AI分だけを抜き出して見るビューが増えた、という理解が正確です)。
AI検索からの流入を見える化する5ステップ
ステップ1:GA4の「トラフィック獲得」でAI Assistantsを確認する(5分)
GA4の左メニューから「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」を開きます。表の1列目(ディメンション)を「セッションのデフォルトチャネルグループ」にすると、オーガニック検索、直接流入、参照などと並んでAI Assistantsが表示されます。ここに数字が入っていれば、ChatGPTなどのAIアシスタント経由の訪問が実際に発生しています。
ステップ2:どのAIから来ているかを分解する(5分)
次にディメンションを「セッションの参照元 / メディア」に切り替え、検索窓でドメイン名を絞り込みます。主な参照元ドメインは以下のとおりです。
- ChatGPT:chatgpt.com(旧 chat.openai.com)
- Perplexity:perplexity.ai
- Gemini:gemini.google.com
- Copilot:copilot.microsoft.com
- Claude:claude.ai
どのAIから来ているかが分かると、対策の優先順位が決まります。業種やターゲットによって内訳は変わるため、必ず自社の数字で確認してください。
ステップ3:Search Consoleで「表示されているか」を確認する(10分)
Search Consoleにログインし、生成AIパフォーマンスレポートが提供されていれば開きます。ここで見るべきは2点です。
- インプレッション数の推移:AI機能上での露出が増えているか、減っているか
- ページ:どのページがAIに表示されているか
「AIに表示されているページ」が分かることの価値は大きく、そのページこそが自社の“AIに評価されている資産”です。同じテーマで記事を増やす、内容を最新化する、といった判断の起点になります。レポートが未提供の場合は、通常のパフォーマンスレポート(オーガニック検索)を代替指標として観測します。
ステップ4:AI流入の「成果」を紐づける(5分)
訪問数だけでは経営判断につながりません。GA4の「トラフィック獲得」レポートには、セッション数の右側にエンゲージメント率やキーイベント(コンバージョン)の列があります。AI Assistantsの行で、問い合わせ・資料請求などのキーイベント数を確認しましょう。
ポイントは、AI経由の訪問者は「AIの回答を読んだうえで、あえてサイトを開いた人」だという点です。母数は小さくても、検討度が高い層である可能性があります。件数の絶対値ではなく、1セッションあたりの成果率で他チャネルと比較してください。
ステップ5:月次で定点観測し、コンテンツに反映する(毎月10分)
ここまでを月1回、同じ手順で記録します。おすすめは次の4項目だけのシンプルな表です。
- AI Assistantsのセッション数
- 参照元の内訳(上位3つ)
- 生成AIレポートのインプレッション数
- AIに表示された上位ページ
3か月分たまると傾向が読めます。伸びているテーマの記事を増やす、表示されているのに流入が少ないページはタイトルと導入文を書き直す――という具体的な打ち手につながります。
数字を読み違えないための3つの注意点
- GA4の数字は「下限値」:AIアプリ経由などリファラ(参照元情報)が渡らない経路は、AI Assistantsではなく直接流入(direct)に計上されます。実際のAI経由の影響は、表示された数字より大きい可能性があります。
- Search Consoleではクリックが分からない:現時点の生成AIレポートはインプレッション中心で、クリック数・CTR・順位・キーワードは提供されていません。「表示は増えたが訪問は増えない」という状態も起こり得ます。
- データがなくても焦らない:レポートは段階導入中で、対象外のサイトも多くあります。数字が出ない=評価されていない、ではありません。
計測できたら、次にやること
現在地が分かったら、コンテンツ側の改善に進みます。AI検索に引用されやすいページには共通点があります。
- 結論を先に書く:見出し直後の1〜2文で答えを示す。AIは要約しやすい文章を引用しやすい
- 1見出し1テーマ:段落単体で意味が通るように書く
- 一次情報と出典を明記する:公式発表・公的統計へのリンクを添える
- 更新日を明示し、内容を最新化する:古い情報は引用されにくい
- 自社にしか書けない具体を入れる:現場の手順、価格の考え方、失敗例
そして最も効くのは、これを1回で終わらせず、継続して積み上げることです。AI検索も従来の検索も、参照されるのは「情報が多く、新しく、信頼できるサイト」です。
まとめ
- AI経由の流入は、GA4の「AI Assistants」チャネルで訪問数を、Search Consoleの生成AIレポートで表示数を見る
- GoogleのAI概要・AIモード経由のクリックは「オーガニック検索」に含まれる(AI Assistantsには入らない)
- まずは30分で現在地を測り、月次で定点観測する
- 数字が読めたら、結論先出し・出典明記・継続更新でAIに引用される土台をつくる
よくある質問(FAQ)
Q1. GA4に「AI Assistants」が表示されません。設定が必要ですか?
A. 特別な設定は不要で、デフォルトチャネルグループに含まれます。表示されない場合は、単純に該当するセッションがまだ計上されていない可能性が高いです。期間を長め(90日など)にして確認してください。
Q2. GoogleのAIモード経由の訪問は、どこで確認できますか?
A. GA4上は「オーガニック検索」に含まれます。公式ヘルプでも、オーガニック検索にはGoogleのAIによる概要とAIモードが含まれると明記されています。AIモード単体のクリック数を切り出すことは、現時点ではできません。
Q3. Search Consoleの生成AIレポートが自社に表示されません。
A. 一部のサイトへ段階的に導入されている段階です。表示されていなくても問題はなく、通常のパフォーマンスレポートで全体の可視性を確認しながら待つ形になります。
Q4. AI流入はまだ少ないので、対策は後回しでよいですか?
A. 判断材料になるのは自社の数字です。ただし、AIに引用されるための施策(結論先出し・出典明記・継続更新)は、従来のSEOでも有効な打ち手と重なります。どちらにも効く投資として、早めに着手しておく価値があります。
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参考文献・出典
- Google Search Central Blog/Search Console に検索の生成 AI のパフォーマンス レポートを導入(2026年6月3日):https://developers.google.com/search/blog/2026/06/gen-ai-performance-reports?hl=ja(参照日:2026年7月13日)
- アナリティクス ヘルプ/[GA4] デフォルト チャネル グループ:https://support.google.com/analytics/answer/9756891(参照日:2026年7月13日)
- Google 検索セントラル/生成 AI 検索向けの最適化ガイド:https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/ai-optimization-guide?hl=ja(参照日:2026年7月13日)
- Googleトレンド(日本/過去7日間・過去30日間)にて「AI検索」「生成AI」の動向および関連キーワード・関連トピックを参照:https://trends.google.com/trends/(参照日:2026年7月13日)




