中小企業庁が持続化補助金<創業型>第4回の申請受付開始を2026年11月5日に公表し、創業期の販路開拓や生産性向上の取組を支援する制度であることを示しました。営業会社にとっては、自社開発だけに頼らず、ホワイトラベルによる新規事業を立ち上げる好機です。この記事では、営業会社のホワイトラベルビジネスの始め方を、補助金活用も念頭に置きながら、商材選定・切り替えステップ・営業現場への定着まで整理します。

この記事のポイント

  • 自社開発とホワイトラベルの役割を4項目で切り分ける
  • 創業期の販路開拓費用の一部は補助金でカバーできる余地がある
  • 段階導入と営業現場への定着設計が成功のカギになる

営業会社はホワイトラベルビジネスをどの領域から始めるべきか

ホワイトラベルビジネスとは、自社では開発せずに他社が開発したサービスを、自社ブランドで販売する仕組みです。営業会社がこのモデルを取り入れるときは、「自社開発で伸ばす部分」と「ホワイトラベルで補う部分」を最初に切り分けておくことが重要です。

営業会社の新規事業では、開発に時間と費用をかけすぎると、営業リソースを十分に活かしきれません。一方で、すべてをホワイトラベルにすると、自社ならではの強みが薄くなります。そこで、自社の営業体制・顧客属性・得意な業界を棚卸しし、「どの顧客に、どんな課題解決を追加したいか」を文章で書き出すところから始めます。

たとえば、既存の主力商材とよく似た領域は、長期的には自社開発で磨いていきます。一方で、全く新しい領域や、AIを使ったサブスクサービスのように変化が速い領域は、ホワイトラベルでスピード重視の展開を狙う、という切り分けが現実的です。

判断に迷う場合は、次の4点で「自社開発向きか、ホワイトラベル向きか」を評価します。

  • ①開発リソースの有無

→社内に企画・開発・保守まで担える人と時間があるか。

  • ②資金負担の許容度

→初期投資をどれくらいまで前払いで負担できるか。

  • ③立ち上げまでの許容期間

→どれくらいの期間で売上を立てたいか。

  • ④既存顧客へのクロスセル余地

→すでに取引のある顧客に、そのまま提案できるか。

開発リソースや時間が限られているが、既存顧客にすぐ提案できる余地が大きい領域は、ホワイトラベルの優先候補になります。有限会社リールゲイトでは、こうした領域に向けて、AIなどテクノロジー関連のサービスを「出来上がった状態」で提供し、営業会社が開発を持たずに新商材を増やせるよう支援しています。

創業期の販路開拓補助金はホワイトラベルビジネスにどう活かせるか

創業期にホワイトラベルビジネスを立ち上げる営業会社にとって、販路開拓補助金は心強い選択肢になり得ます。持続化補助金<創業型>は中小企業庁が2026年11月5日に公表した制度で、創業後まもない小規模事業者による販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するものであり、詳細は中小企業庁ミラサポplus(https://mirasapo-plus.go.jp/infomation/34135/)の公表情報で確認できます。

営業会社が新規事業としてホワイトラベルビジネスを始める場合、販路開拓に必要な一部の費用が、制度の趣旨に沿う形であれば補助対象になり得ます。ただし、補助金は「お金が出るからビジネスを考える」のではなく、「経営計画に基づいた取組」を後押しするものです。先にビジネスモデルと販売計画を固め、そのうえで必要な費用を整理する流れが大切です。

ホワイトラベルビジネスで、販路開拓費用になり得るものの例としては、次のようなものがあります。

  • 新サービス案内のチラシ・パンフレット制作
  • 自社サイト内の専用ページやランディングページの整備
  • 展示会・商談会への出展費用
  • 営業資料・提案書テンプレートの作成
  • オンラインセミナーや説明会の開催にかかる外部費用 など

制度活用の基本ステップは、次の順番が分かりやすい流れです。

  1. ミラサポplus等で制度概要・公募スケジュールを確認する
  2. 自社の創業時期・規模・業種が対象となるかを条件と照らして確認する
  3. 経営計画書に、ホワイトラベルビジネスの位置づけと、今後の売上イメージ・顧客ターゲット・販路を文章で書き出す

申請書類では、「なぜホワイトラベルビジネスが自社の強みを活かすのか」「既存顧客や市場にどう販路を広げるのか」を具体的に説明することが求められます。単に「新しい商品を仕入れて売る」のではなく、自社の営業力や既存取引先との関係をどう活かすのかを丁寧に言語化しておくと、事業としても筋の通った計画になります。

なお、補助金は審査があり、不採択の可能性や、採択後の実績報告などの事務も発生します。制度の詳細や自社が対象になるかどうかについては、商工会議所や認定支援機関、専門家に相談しながら進めると安心です。

自社開発からホワイトラベルビジネスへ切り替えるステップはどう進めるか

営業会社が自社開発中心のモデルから、ホワイトラベルによる新規事業を立ち上げるときは、一気に切り替えるより段階的に進める方が現実的です。最初の1〜2年は「自社開発+ホワイトラベルの併用期」と位置づけ、リスクを抑えながら提案メニューを増やしていきます。

第1段階では、すでに販売中の自社開発商材との相性が良く、既存顧客にも提案しやすいホワイトラベル商材を1つに絞って導入します。対象顧客や提案の場面がイメージできる商材から始めることで、営業現場の混乱を抑えられます。

有限会社リールゲイトが支援したケースでも、営業スタッフを多く抱え、自社で開発したサービスを主力商品として問題なく販売している一方で、提案できるメニューを増やすことには一定の苦労があり、自社開発ではどうしても似たような傾向のサービスとなるため、アプローチの違う新しいサービスの提供が難しいとの認識がありました。

有限会社リールゲイトでは、この会社に対して弊社のサブスク・サービスをホワイトラベルで提案しました。営業とお客様との窓口以外の業務は弊社が担当し、営業スタッフは提案とフォローに専念できるように設計し、自社で新たなシステムを開発せずに新商材をラインナップに加えられるビジネスモデルとして一緒に組み立てていきました。その結果、これまでの新サービスの追加と比べて導入までの期間を大きく短縮でき、スムーズな立ち上げと早期の販売開始につながりました。営業会社側は自社での新規開発費用をかけずに導入でき、販売活動に力を注ぎやすい体制づくりに役立てています。

第2段階では、導入したホワイトラベル商材を、既存の主力商材とどう組み合わせるかを整理します。例えば、次のような提案パターンを決めておくと運用しやすくなります。

  • 主力サービスの契約時に、セット提案として同時案内する
  • 主力サービス導入から一定期間経過したタイミングでアップセルとして提案する
  • 既存顧客向けのニュースレターや面談時に、課題ヒアリングとセットで紹介する

第3段階では、販売状況や顧客の反応を見ながら、ホワイトラベル商材を追加するか、自社開発との役割分担を見直すなど、ポートフォリオを定期的に更新していきます。「どの領域はホワイトラベルを使い続けるか」「どの領域は自社開発に切り替えるか」を、一定のサイクルで振り返るイメージです。

導入前に確認しておきたいチェックポイントは、次の3つです。

  • ①誰に売るかがすでに見えているホワイトラベル商材か

→既存顧客のどのセグメントに提案するか、具体的な顔ぶれまでイメージできるか。

  • ②営業現場の負担が増えすぎない運用設計か

→説明内容や手続きが複雑すぎず、既存フローに乗せやすいか。

  • ③提供会社のサポート範囲が明確か

→申込後の対応、トラブル時の窓口、アップデート情報の提供などの分担がはっきりしているか。

この3点を満たしていれば、営業会社は自社開発の強みを残しつつ、新しい収益源を無理なく追加していけます。

ホワイトラベルビジネスを営業現場と社内にどう根付かせるか

ホワイトラベルビジネスを軌道に乗せるには、商材を仕入れるだけでは不十分で、営業現場と社内運営の「型づくり」が欠かせません。営業会社のホワイトラベルビジネスの始め方として、ここを最初から設計しておくと定着スピードが変わります。

まず、営業フロー上のどのタイミングでホワイトラベル商材を提案するかを決めます。選択肢は大きく分けて以下の3つです。

  • 初回提案のタイミングで、主力サービスとセットで提案する
  • すでに取引のある顧客に対して、クロスセル(横展開)として提案する
  • 主力サービスの導入後に、成果のフォロー面談と合わせてアップセルとして提案する

どのタイミングにするかを決めたら、既存商材との組み合わせパターンを定義します。たとえば「Aサービスを契約した顧客には、3か月後のフォロー時にBのホワイトラベル商材を案内する」といったルールを、簡単なフローチャートや表にして共有しておくと、営業メンバーが迷いません。

次に、営業現場が動きやすいように、次のようなツールを1枚ずつ整えます。

  • ターゲット顧客・想定課題・導入メリットをまとめた「提案シート」
  • よくある質問と回答を整理した想定問答集
  • 料金や契約期間、運用イメージをシンプルに示した説明資料

これらを用意したうえで、社内でロールプレイング(ロープレ)を行い、初期案件の振り返りミーティングも定期的に設定します。うまくいったトークや資料の使い方を共有し、社内の「成功パターン」を共通資産として蓄積していくイメージです。

運営面では、申込から導入・サポートまでの役割分担を明確にすることが大切です。次のような項目ごとに、「営業」「バックオフィス」「ホワイトラベル提供会社」のどこが担当するかを表にしておきます。

  • 見積・提案
  • 契約書・申込書の受け渡し
  • 初期設定やアカウント発行
  • 利用開始後の問い合わせ対応
  • 請求・入金管理
  • 解約やプラン変更の手続き

特にAIのサブスク型サービスなどでは、アップデートや仕様変更が定期的に発生します。そのため、提供会社からの情報共有を受け取る窓口担当者を社内で決め、その担当者から営業チームに要点を噛み砕いて伝える流れを作っておくと混乱を防げます。

今後、新たにホワイトラベル商材を検討する際は、「商材単体の良し悪し」だけでなく、「自社のビジネスモデルや運営負担との相性」まで含めて相談できるパートナーがいると心強いです。有限会社リールゲイトでは、経営者の後方支援をコンセプトに、営業会社が本業の営業活動に集中できるよう、ホワイトラベル商材の提供と運営面のバックアップを行っています。

よくある質問

営業会社がホワイトラベルビジネスを始める最初の一歩は?

最初の一歩は、「どこまで自社開発で行い、どこからホワイトラベルを使うか」という方針決めと、自社の営業体制・顧客基盤の棚卸しです。具体的には、既存顧客の業種・規模・よくある相談内容を書き出し、「この顧客にあと1つ提案するとしたら何か」を考えるミニテストが有効です。その上で、開発リソース・資金負担・立ち上げスピード・クロスセル余地の4項目で、自社開発とホワイトラベルの役割を切り分けていきます。

創業期の販路開拓補助金はホワイトラベルでも使える?

持続化補助金<創業型>の目的に沿った使い方であれば、ホワイトラベルビジネスの販路開拓に必要な費用の一部として活用し得ます。たとえば、ホワイトラベル商材の案内チラシやホームページの整備、展示会出展費用などが該当し得る領域です。ただし、具体的な対象経費や要件は公募要領によって決まるため、ミラサポplusの情報や専門家の助言を確認したうえで判断することをおすすめします。

自社開発とホワイトラベルのどちらを優先すべき?

創業〜立ち上げ期や、新規事業の初期フェーズでは、ホワイトラベルを活用してスピードと資金負担の軽さを優先するケースが多いです。そのうえで、中長期的に自社の強みに直結する領域は、自社開発でオリジナリティを高める形が現実的です。判断軸としては、①自社のコア技術と結びつくか、②既存顧客への提案がすぐに見えているか、③開発・運用の人材を確保できるか、④投資回収までの期間を許容できるか、の4点をチェックすると整理しやすくなります。

営業現場にホワイトラベル商材をどう浸透させる?

まず、既存商材との組み合わせパターンと、提案するタイミング(初回提案・クロスセル・アップセル)を明確に決めます。次に、ターゲット・課題・提案メリットを1枚にまとめた提案シートと想定問答集を用意し、ロープレを通じて共通のトークを社内で作っていきます。導入後は、初期案件の振り返りや成功事例の共有を習慣化することで、営業メンバーが自然に使いこなせるようになり、ホワイトラベルビジネスが現場に根付きやすくなります。

まとめ

  • 自社開発とホワイトラベルの役割を、「開発リソース」「資金負担」「立ち上げスピード」「クロスセル余地」の4軸で切り分け、自社に向く領域から着手しましょう。
  • 創業期や新規事業の販路開拓には、持続化補助金<創業型>などの制度を検討しつつ、まずはビジネスモデルと販売計画を言語化するところから始めてください。
  • ホワイトラベル商材は、相性の良い1商材から段階的に導入し、営業フローと社内体制の「型」を整えながら、ポートフォリオを徐々に最適化していくのが現実的です。

自社に合うホワイトラベル商材や運営設計について具体的に検討したい場合は、個別の状況を伺いながら一緒に整理することも可能です。関心のある方は、こちらのお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。


この記事について

有限会社リールゲイトは、日本国内および中国・上海エリアでホワイトラベル・ビジネスや中国進出支援、助成金カウンセリングなどを手がけるコンサルティング会社です。2003年創業で、人材関連事業と中国ビジネス支援の実績を基盤に、経営者の次の一手をバックアップしています。