「構造化データを設定していたのに、検索結果の見た目が変わらなくなった」——2026年5月7日、GoogleはFAQ(よくある質問)リッチリザルトの検索結果への表示を終了しました。これを受けて「構造化データはもう意味がないのでは?」という声を耳にすることが増えています。

結論から言えば、構造化データは今も必要です。ただし、その役割は「検索結果の見た目を装飾する手段」から「検索エンジンとAIにサイトの中身を正確に伝える土台」へと重心が移りました。

本記事では、2026年の最新動向を一次情報ベースで整理したうえで、中小企業のホームページが今やるべき構造化データ対応を、専門知識がなくても進められる5ステップで解説します。

この記事でわかること

  • 構造化データの基本と「非構造化データとの違い」
  • 2026年に起きた変化(FAQリッチリザルト終了・リッチリザルトの整理)
  • 変化の後も構造化データが必要な3つの理由
  • 中小企業ホームページでの実装5ステップ(コピペで使えるJSON-LD例つき)
  • 無料ツールでの検証方法と、やってはいけないNG例

構造化データとは?検索エンジンとAIへの「翻訳文」

構造化データとは、ページの内容を検索エンジンやAIが正確に理解できるように、schema.org という共通の語彙(ボキャブラリ)を使ってHTMLに埋め込む「機械向けの説明書き」のことです。人間は「大阪市西区の広告会社」と書かれた文章を読めば会社の所在地だと理解できますが、機械にとっては単なる文字列です。構造化データで「これは組織名」「これは住所」「これは営業時間」とラベル付けしてあげることで、検索エンジンやAIは迷わず内容を読み取れるようになります。

構造化データと非構造化データの違い

最近は「構造化データと非構造化データの違い」という検索も増えています。整理すると次のとおりです。

  • 構造化データ:項目(名前・住所・価格など)が定義され、機械がそのまま処理できる形式のデータ。SEO文脈では、schema.orgの語彙でマークアップした記述を指します。
  • 非構造化データ:文章・画像・動画など、決まった型を持たないデータ。ホームページの本文の大半はこちらです。

つまりSEOにおける構造化データ対応とは、「非構造化データである本文の意味を、機械が誤解しないように翻訳して添えておく作業」だと言えます。

記述形式はJSON-LDが推奨

構造化データの書き方にはいくつかの形式がありますが、Googleは公式ドキュメントで、サイトの構成が許す場合はJSON-LD形式の使用を推奨しています。JSON-LDはHTML本文と分離した<script>タグ内にまとめて記述できるため、既存のデザインを崩さずに追加でき、管理もしやすいのが特長です。

2026年、構造化データに何が起きたのか

FAQリッチリザルトが2026年5月7日に表示終了

Google検索セントラルのドキュメント更新履歴によると、FAQリッチリザルト(検索結果に質問と回答が展開表示される機能)は2026年5月7日をもってGoogle検索に表示されなくなりました。あわせて、Search ConsoleのFAQレポートやリッチリザルトテストでの対応確認も段階的に終了しています。

近年続く「リッチリザルトの整理」

この動きは突然ではありません。Googleは近年、利用の少ないリッチリザルトを段階的に整理してきました。たとえば2025年6月には書籍アクションや講座情報など複数のタイプのサポートが終了し、2025年1月にはモバイル検索でのパンくずリスト表示が終了しています(パソコン版は継続)。

ポイント:整理されているのは「検索結果の見た目(リッチリザルト)」であり、構造化データという仕組みそのものが否定されたわけではありません。Googleのドキュメントでも、使われなくなったマークアップがページに残っていても検索に悪影響はないと案内されています。

それでも構造化データが必要な3つの理由

理由1:主要なリッチリザルトは今も健在

記事(Article)、パンくずリスト、商品(Product)、ローカルビジネス、イベント、求人情報、レビューなど、ビジネスへの影響が大きい主要なリッチリザルトは、本記事執筆時点でも引き続きサポートされています。特に店舗・地域ビジネスにとって、ローカルビジネスやパンくずの構造化データは基本装備です。

理由2:検索エンジンとAIの「理解」を助ける土台になる

Googleは2026年5月に公開した生成AI検索に関する公式ガイドで、AI OverviewsやAIモードに表示されるために特別な要件や専用のマークアップは不要で、通常の検索向けの最適化がそのまま有効だと説明しています。裏を返せば、通常のSEOの基本である構造化データの整備は、AI検索時代にもそのまま生きるということです。構造化データは「AI検索用の裏技」ではなく、機械に正確に理解してもらうための基礎工事と捉えるのが正解です。

理由3:AI検索での表示を測定する環境が整った

2026年6月には、Search Consoleに「生成AIパフォーマンスレポート」が追加され、自社サイトへのリンクがAI OverviewsやAIモードに表示された回数を確認できるようになりました。サイトの中身を機械に正しく伝える施策を打ち、その成果をレポートで確認する——というPDCAが、中小企業でも無料で回せる環境になっています。

中小企業ホームページの実装5ステップ

ステップ1:自社に必要なタイプを選ぶ

すべてを実装する必要はありません。中小企業のホームページなら、まずは次の最小構成で十分です。

  • Organization / LocalBusiness:会社情報・店舗情報(全サイト共通の基本)
  • BreadcrumbList:パンくずリスト(サイト構造を伝える)
  • Article:ブログ・コラム記事(更新コンテンツがある場合)

ECサイトならProduct、採用ページがあればJobPostingを追加検討します。

ステップ2:JSON-LDで記述する

ローカルビジネスの記述例です。社名・住所・電話番号などを自社の情報に置き換えれば、そのまま使えます。

<script type="application/ld+json">
{
  "@context": "https://schema.org",
  "@type": "LocalBusiness",
  "name": "株式会社サンプル",
  "address": {
    "@type": "PostalAddress",
    "addressRegion": "大阪府",
    "addressLocality": "大阪市西区",
    "streetAddress": "北堀江0-0-0"
  },
  "telephone": "+81-6-0000-0000",
  "url": "https://www.example.co.jp/",
  "openingHours": "Mo-Fr 09:00-18:00"
}
</script>

WordPressなどのCMSを使っている場合は、SEO系プラグインやテーマの機能で基本的な構造化データを自動出力できることも多いため、まず現状を確認してから不足分を追加しましょう(二重出力は避けます)。

ステップ3:無料の検証ツールで確認する

「構造化データ テストツール」に関する検索も増えていますが、現在使うべきは次の2つです。

  • リッチリザルトテスト(Google公式):リッチリザルト対象タイプの検証
  • Schema Markup Validator(schema.org公式):schema.org準拠の文法チェック

URLまたはコードを貼り付けるだけで、エラーや警告を無料で確認できます。

ステップ4:Search Consoleで表示状況をチェックする

実装後は、Search Consoleの「拡張」レポートでエラーの有無を確認し、検索パフォーマンスや生成AIパフォーマンスレポートで表示回数の変化を観察します。効果はすぐには出ないため、月1回の定点観測を習慣にするのがおすすめです。

ステップ5:情報が変わったら必ず更新する

営業時間や住所が変わったのに構造化データが古いまま——これは機械に「嘘」を伝えている状態です。ページに表示されていない内容をマークアップする行為はGoogleのスパムに関するポリシーに抵触するおそれがあり、2026年にはこのポリシーが生成AIによる回答にも適用されることが明確化されました。実態と一致した正直なマークアップを保つことが、結局は最大のリスク回避になります。

すぐ実践できるチェックリスト

  • 自社サイトに構造化データが入っているか、リッチリザルトテストで確認した
  • Organization / LocalBusiness の基本情報(社名・住所・電話・URL)を実装した
  • パンくずリストと記事(Article)のマークアップを実装した
  • 検証ツールでエラーゼロを確認した
  • Search Consoleで「拡張」と生成AIパフォーマンスレポートを月1回確認する体制にした
  • 会社情報の変更時に構造化データも更新するルールを決めた

まとめ

FAQリッチリザルトの終了は「構造化データ不要論」の根拠にはなりません。整理されたのは見た目の機能であり、検索エンジンとAIにサイトの中身を正確に伝えるという構造化データの本質的な役割は、AI検索が広がる2026年においてむしろ重みを増しています。まずは自社サイトの現状確認から始め、最小構成の実装→検証→定点観測というサイクルを作りましょう。そして忘れてはならないのは、構造化データはあくまで「翻訳」であり、翻訳する価値のある中身(コンテンツ)があってこそ機能するということです。

よくある質問(FAQ)

Q1. FAQPageのマークアップはもう削除すべきですか?

A. 急いで削除する必要はありません。Googleは使われていない構造化データがページに残っていても検索に悪影響はないとしています。ただし検索結果への展開表示は戻らないため、新規実装の優先度は下げてよいでしょう。FAQ形式のコンテンツ自体は、検索意図への簡潔な回答としてAI検索時代も有効です。

Q2. 構造化データを入れると検索順位は上がりますか?

A. 構造化データ自体は直接の順位決定要因ではありません。ただし、内容が正確に理解されることでリッチリザルトの表示資格が得られたり、関連する検索での適切な評価につながったりする間接的なメリットがあります。

Q3. 専門知識がなくても実装できますか?

A. 可能です。CMSのプラグインやテンプレートを使えば基本的なタイプは自動出力できますし、本記事のようなJSON-LDのひな形を書き換えて検証ツールで確認する方法なら、HTMLの深い知識がなくても進められます。

Q4. ChatGPTなどのAI検索にも効果はありますか?

A. 各AIサービスが構造化データをどこまで利用するかは公表されておらず、断定はできません。ただ、機械が読み取りやすい構造を整えることは、AIがサイト内容を誤解するリスクを減らす方向に働くと考えられます。Googleは生成AI検索について「通常のSEOで十分」と説明しており、その通常のSEOに構造化データの整備が含まれます。

HPを「検索にもAIにも伝わる集客資産」へ——マイニチ更新

構造化データはサイトの中身を機械に伝える翻訳装置ですが、翻訳すべき中身、つまり継続的に積み上がるコンテンツがなければ効果は限られます。有限会社リールゲイトの「マイニチ更新」は、企業ホームページのコンテンツ運用を365日代行する月額制サービスです。

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検索エンジンにもAIにも「伝わる中身」を育てたい方は、まずはご相談だけでもお気軽にどうぞ。

参考文献・出典

  • Google 検索セントラル/構造化データの仕組みについて https://developers.google.com/search/docs/appearance/structured-data/intro-structured-data(参照日: 2026年8月5日)
  • Google 検索セントラル/ドキュメントの更新履歴(FAQリッチリザルトのサポート終了・スパムポリシーの生成AI回答への適用明確化ほか) https://developers.google.com/search/updates(参照日: 2026年8月5日)
  • Search Engine Journal/Google Drops FAQ Rich Results From Search https://www.searchenginejournal.com/google-drops-faq-rich-results-from-search/574429/(参照日: 2026年8月5日)
  • 株式会社パンタグラフ/AI検索時代の構造化データとは? https://pantograph.co.jp/blog/seo/structureddata-aio.html(参照日: 2026年8月5日)
  • AIO総研株式会社/Googleが宣言した"AIO/LLMOは普通のSEOで十分"の中身 https://aiosoken.com/insights/google-aio-llmo-stance-2026/(参照日: 2026年8月5日)
  • 株式会社pivote/サーチコンソールに「生成AIパフォーマンスレポート」導入 https://pivo-te.co.jp/article/1062(参照日: 2026年8月5日)
  • Googleトレンド(地域=日本、過去7日間の全体動向および過去1ヶ月の関連キーワード「構造化データ」「AI検索」等) https://trends.google.com/trends/(参照日: 2026年8月5日)